ホスピタリティと異文化経営

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国連世界観光機関のデータによりますと、世界の国際観光客数は年々増加の一途をたどり、特に北東アジア、東南アジアの伸びは大きく、今後もこの傾向は続くと予測されています。日本はと言いますと、2017年の訪日客数は2800万人を超えて前年比約2割増となり、2020年に4000万人、2030年には6000万人という国の目標はかなり現実味を帯びてきました。世界中で文化交流が進むことで世界平和にはプラスとなり、ホスピタリティ産業はその最前線で貢献して行きますが、同時に、違った文化を持つ人達が接することで生じるトラブルの可能性も潜在的に拡大しています。そのような状況をどのように管理するかを学ぶのが、一部の大学のホスピタリティ学部でも取り上げられている「異文化経営学」です。

<異文化経営学>
英語のCross Cultural Managementを訳したものです。例えば、企業の管理職が違った文化を持つ従業員を使ってどうしたら効率的に業務を遂行することができるか(国内において外国人を雇う場合、自身が海外に赴任して現地の従業員と働く場合など)、また、違った文化を持つ顧客にどのようにサービスを提供していったらよいのかを考える学問です。
日本でも年を追うごとに飲食店などで働く外国人をよく見かけるようになりましたが、皆日本語を話し、日本の文化に合わせて仕事をしていますので、私達がそれら外国人の文化について思いを馳せることはそれ程ありません。しかし、すでに日本の企業における外国人従業員採用は益々積極化していますし、訪日外国人数も年々増加していますから、今後は日本国内においても異文化との接触機会が大幅に増え、それは時に異文化間の行き違い、誤解、摩擦を生じさせ社会問題化する可能性があります。日本人も異文化経営について真剣に学ぶときが来るでしょう。

<異文化経営の先進国アメリカ>
日本に比べ、米国の企業は異文化経営のノウハウを積み重ねて来ており、日本が学ぶことは多いようです。米国は多くの外国人が流入する国ですが、国内においては多民族国家で人種差別問題を抱えており、人権に係わる問題が裁判沙汰になれば莫大な賠償金が生じることもあるため、企業の異文化経営に対する関心度は高く、特に、人的資源に頼り不特定多数の顧客を扱うホテル業界においてはその必要性が顕著で、異文化経営に真剣に取り組んで来た歴史があります。そのノウハウがホテルの海外進出を容易にし、世界的なブランドのネットワークを構築する一助になったのかもしれません。

<日本のホスピタリティ産業界で求められる人材>
実は、インバウンド・ビジネスとして大きな成長が見込まれる日本のホスピタリティ産業において、将来最も求められる人材は異文化経営のスペシャリストだという意見があります。その根拠は、今後、急速に増加する外国人観光客数に反比例して日本の(特に地方の)人口が大きく減少する結果、この産業を持続的に成長させるためには外国人労働者の流入が必須であるので、異文化経営のノウハウの必要性が飛躍的に高まるであろうという点です。ご参考まで、内閣府が公表しているデータで、2010年を100とした場合の2050年の人口増減状況を示した日本地図を載せておきました。これを見ると大都市以外はほとんどの地域で人口が半分以下になっており、労働人口の減少は全ての産業においてかなり深刻な問題になりそうです。製造業であれば工場を海外に移すという選択肢もありますが、ホスピタリティ産業ではそうは行きません。

<異文化が集合しているマレーシア>
米国と同じく多民族国家であるマレーシアにおいては、宗教の違う様々な民族がうまく共存しています。学問として学んでいなくとも、人々は経験の中から上手に他民族と共存する術を身に着けており、これはどちらかと言うと日本人が苦手にしているところなので、このような環境でホスピタリティを学べるのは本当に素晴らしいことです。そして、留学されたら、あなたのマレーシア人の同級生が、外国人であるあなたにどのように接しているかをよく観察してみてください。また、専攻された学部で受講できる科目かどうかに係わらず、大学の図書室で一度Cross Cultural Management関連の本を手に取ってみては如何でしょうか。その知識が将来あなたを助けてくれるかもしれません。

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