長女の入学

大原むつき

「ねぇー、もぉー、どうして言えなかったの?」
「どうして何も答えなかったの?」
 子供の手を引き停めてあった車に乗り込む道すがら私は同じ言葉ばかりを俯く娘に 投げかけていた。
その日はインターナショナルスクールのプライマリーに入る面談日。
こちらに来てすぐに住居としているコンドミニアムの階下にあるローカルナーサリー(残念ながら何年か前に既に閉園)に入園させ、5才までいて卒園。
その間ローカルの先生達が手とり足とりで良く面倒を見てくださいました。
何しろマレーシアに来て感じた事はどこに行っても本当に子供に優しく、困っていても何気なくヘルプしてくれるので3人のヨチヨチを連れ歩いていた私は本当に見知らぬ国の他人の優しさに助けられる事ばかりでした。
「こんなに優しくしてくれるのぉー、」「なんでこんなに、、、」ってエピソードも尽きないのですが「学校関連のブログ書いてね。」「書きましよっ。」って事になっていますので「あー、これじゃダメね。」って却下もされたくないので(もしも、そういうお話も聞きたいって思う方いましたら暮旅(Kuratabi)の方までお越し下さい。(笑)

ナーサリーでは優しくて若い先生達が英語の本を読んでくれたり、英語のスペルを教えたり、会話も勿論全部英語でのやりとりなので例えば数を数えられるとか、色を全部英語で言えるとか、A~Zまで言えるとか、聞かれた質問(簡単な)に答えられるとか、そう、、、当たり前にできる事でした。(普段においては、、、)
だから私はかなりスムーズにプライマリーへの進級はできるに違いないと思っていました。
ところが、、、ところが、、、。
まぁ、今でこそ大学生になり接客業のアルバイトをやったりしている様ですが長女はこの頃は人見知りが強く上の子に特有なシャイ(そう思いませんか?)
な性格であったのです。
新しい学校でもみんながお友達になれる事、プライマリーに入らなければいけない事をとくとくと言い、それを聞いた長女がわかったのか?わかっていないのか?(今思うと5才にしかならない小さな子にわかれ!と言うのも酷な事だった、、って反省、、、です。)
とにかく強く言い聞かせ、その翌日、又話しに出向きました。
昨日とは違い名前も言えた、数も言えた、ABCも、、、。と言う訳でパンパカパ~ン。プライマリー(トライアルでやってみましょう)入学が許可されました。
「もぉー、出来るじゃないのぉ」「やっぱり言えるじゃないのぉ」と子供の手を引き停めてあった車に乗り込む道すがら私は同じ言葉ばかりをてへへ、、、となっている娘に投げかけていた。
よーし、明日からプライマリースタート、めでたし、めでたし。となる筈でした。
ところが、ところが、、、。
15人程のクラスに入り、一番後ろの席につかされ授業を受ける事になったのですが名前を訊かれても又、、、。
隣に座っているチャイニーズの男の子(インターと言ってもローカルの生徒もとても多くいます。)が定規で頭を(本当に軽く)ポンしたり数人いる日本人の男の子達も「名前何て言うの?」とか中々いい感じのちょっかいを出してくれて子供ならではの挨拶をしてくれました。が、、、。結局その日一日だんまりで決めて一言も声、発せず。
そして授業が終わり事務的にさえ感じられる程普通に先生から告げられた言葉は「プライマリーはまだ早過ぎると思うんでキンダーに下げて入った方がいいです。」

卒園してから来ているのにもう1度キンダーからの出発になりました。
事務所でK2の手続きを済ませました。
(もちろん、帰りは冒頭の何行かに逆戻り)
中々、一筋縄ではいかないものです。
                           (次回へ、、、、。)
  *ナーサリー(nursery)保育園、マレーシアでは幼稚園よりも主流です。キンダー(kindergarten)インター校では幼稚園として呼んでいたりします。k1(年少)k2(年長)とわかれているところもあります。
プライマリー(Primary)は小学校のことでブリティッシュ系の学校での呼び方です。アメリカ系はエレメンタリー(elementry)と呼びます。

  

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Updated: 05/02/2024 - 15:46

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