「日本脱出」はまだ続く?

kosaka

「日本脱出」というのは少しオーバーかもしれませんが、ここ数年のポストコロナのマレーシア留学、特に「親子留学」あるいは「教育移住」の勢いを見ていると、まさにそんな言葉がピッタリと感じます。
実際、昨年2022年4月のマレーシア「国境再開」以来、多数のご家族が教育目的でマレーシアに移住、定住を果たしています。特に3-5歳の幼いお子様を連れての母子留学が目立ちます。大変ありがたいことに、弊社にサポートを依頼していただく件数も非常に多く、弊社のスタッフ4名がフル稼働して何とか業務をこなせている状態と言えます。ただ、まれですが、サポートが追い付かず、またはサポート漏れがあり、ご迷惑をおかけした事もあったかと思います。この場を借りて、感謝とお詫びを申し上げたいと思います。
さて、本題に戻りますが、なぜ、このような「日本脱出」の動きが顕著になったのか、私なりに(勝手に)分析したいと思います。色々な理由が考えられますが、いくつかリストアップしてみます。

1、 コロナ期の反動
これはコロナの数年間に移住を実施する予定だったご家族がその間待機を余儀なくされ、コロナ明けとともに一斉に実行を始めたという理由です。もちろんこれはあると思います。ただ、件数がコロナ前の3倍以上にも達していること、コロナ明けからすでに1年半以上も経過してまだ勢いが衰えないこと、3-5歳児を連れての移住であること(コロナ期には年齢的に無理だった)など考えると、単なるコロナの反動というよりコロナ明け後に何か新たな大きなトレンドが始まったという気がしています。

2、 インフルエンサーの影響
コロナ期にYoutubeを見るようになった方は多いと思います。また、コロナ期に情報提供のためYoutubeを開始したという海外在住のユーチューバーも多いかと思います。マレーシアだけでも相当数のユーチューバーがいます。実は弊社もロックダウンをきっかけに弊社Youtubeチャンネルマレーシア留学チャンネルを開始しました。(インフルエンサーと呼べるレベルではありませんが。)その結果、以前よりリアルな情報を入手することができ、海外移住やマレーシア移住がより身近に感じられるようになった、という側面はあるかと思います。

3、 日本の将来不安
日本の将来が不安なので、子供たちが世界のどこでも働けるよう国際人材に育てたい、という願望はもちろん以前からあったと思います。ただ、コロナの前後でそれが加速したように思われます。その要因は何かと言うと、私はズバリ「円安」ではないかと思います。ご存知の通り2020年に1米ドル110円前後だった相場は、現在再度150円を伺う展開です。さらにそれは通過点に過ぎず1ドル200円や220円程度まで下落すると言う関係者もいます。もちろん為替の将来は誰にも予想できませんが、以前のような円高時代に戻る可能性は高くないと考える方がほとんどだと思います。
「失われた30年」で給料はずっと上がってないどころが、ドルベースで見ると3―4割も減っており、将来更に減っていくとなると、日本円で稼ぐ意味がなくなります。同じ働くなら米ドルやユーロや豪ドルで稼いだ方がマシ、と言うことになります。事実、日本で年収300万円だった寿司職人が渡米し、年収8000万円になったと言う話が話題になっていると聞きます。海外就職や海外出稼ぎで成功するには、幼少から海外に滞在し英語で教育を受けることが最も手取り早い手段ではあります。これがマレーシア親子留学や教育移住の最大のモチベーションになっている可能性は大と言えます。

4. マレーシアの割安さ
3で円安が加速した話をしましたが、留学費用増加の要因でもあるため、本来はマレーシア留学にとっても大きなマイナス材料です。しかし逆に留学件数が急増しているのは、①マレーシア通貨リンギットに対する円安は米ドルに比べればまだマイルドであること、②マレーシアの学費や物価水準は米国、カナダ、豪州などに比べ元々低水準なので、多少円安になってもまだなんとかなる水準、ということかもしれません。マレーシアの割安さが逆にクローズアップされる結果となっているかもしれません。

5. 日本の教育とのミスマッチ
上記の通り(少なくとも弊社に相談される顧客のニーズとしては)、子供を海外で活躍できる人材に育成して欲しいと言うのが教育機関への要望になるわけですが、今のところそういった教育を提供している学校は少数で、これら海外志向のご家族のニーズを満たせておらず、結果的に海外教育移住をするしかない、と言う背景があるようです。(日本でインターナショナルスクールに入学するという手はありますが、費用はより高くなるようです。)もちろん、日本の教育は基本的に海外で活躍できる人材を育成するという目標で設定されていないので、それを求めるのも酷と言うことでしょう。

以上、コロナ明け後マレーシア親子留学または教育移住が急増している理由を思いつくままに挙げてみました。実は、ここに上げた要因は全て私がマレーシア留学事業を始めようと思った時(10年ほど前になりますが)に予想したことではあります。(実はここでは触れませんが、もう一つの予想があります。)大半の日本人にとってはあまり良い結果ではないので、当たってしまったと言うことになります。

では、今後もこの海外脱出が続くか?ですが、これは何とも言えませんが、過去の円高時代に戻らない限り、海外で稼げるグルーバル人材育成を目指す動きは変わりそうにないため、親子留学や教育移住は増えることはあっても減ることはないような気がします。さらに言うと、今のところまだ落ち着いている大学留学も急増してくる可能性が高いと見ています。大学海外進学は、「グローバル人材」あるいは「海外出稼ぎ人材」になれる実質的な最後のチャンスと言えるからです。

少し願望も入ってしまったかもしれませんが、今後も皆様の「海外脱出計画」のお手伝いをさせていただければ幸いです。

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Updated: 05/02/2024 - 15:46

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